ビジネスシーンにおいて企業組織全体の生産性を高めることは長年重要視され続けていますが、組織全体の生産性はその組織に属している個人のタスク管理が大きく関わってきます。近年は特に情報技術の発達がめざましく、タスク管理に特化したツールやアプリケーション、オンラインツールが数多くの企業からリリースされ、利用しているビジネスマンも日々増加しています。
そうしたツールが揃ってきている中でも、結果として業務効率化がうまく図れていない企業があるのもまた現実です。優れたツールを用意した後も上手く運用がなされていない原因の中には、タスク管理を任されているビジネスマン本人がタスク管理そのものをどう進めれば良いか理解しきれずにいたり、何から始めれば良いのか分からなかったりとタスク管理自体が億劫になってしまった、などというケースがその原因にあたるようです。
しかし、タスク管理絵を行うためには必ずそう言った専門ツールを導入する必要はなく、もっとシンプルかつ理解がしやすい「紙とペンを用いたアナログ方式で行うタスク管理の方法」を試すのも一つの手です。今回の記事では、実行しやすいアナログ方式のタスク管理方法や、タスク管理をアナログ方式で行うメリット・デメリットについて説明していきます。
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目次
実行しやすいアナログ方式のタスク管理方法
紙とペンを使う形のタスク管理方式はアナログな手法ではありますが、運用者にとってはシンプルかつ取り掛かりやすい方式でもあります。以下に紹介するのは、タスク管理を行う本人にとって負担になりにくい管理方法の手順です。
紙の上に自分が持っているタスクを書き出す
チーム内の同僚や上司に聞きつつ、今現在自分が持っているタスクをリストにまとめ、一枚の紙に書き出します。そしてその紙は1日1枚で管理し続ける事が大切です。リストに使用するメモは特に用紙を問わず、自分が日々のビジネスシーンで使いやすいもので問題ありません。
緊急性、重要度を軸にプライオリティを決めていく
時間や費やせる労力には限りがありますので、全てのタスクには優先順位が必要です。そこで「時間管理のマトリクス」という考え方を取り入れていきます。縦軸が緊急度、横軸が重要度を示しており、例えば「重要度高い-緊急事態高い」と言ったように分類されるタスクは優先順位が高いので意識して午前中に終わらせる、というように自分のなかで意識づける事が可能です。
決めた順序でタスクを行い、終わったタスクは消し込む
時間管理のマトリクスを利用して決めた優先順位に則った形で早速タスクを消化していきます。突発的に発生したタスクは、短時間で終わらせる事が可能であればすぐに消化するのがおすすめです。順を追ってタスクをこなし、達成したものについては線を引くなどして消し込みましょう。
1日のタスクが完了したところで改めてリストを見直し、やり残したタスクは無いか確認が必要です。やり残したものは必ず翌日のタスクを記入するリストに書き写すことを忘れないようにしましょう。1日の仕事が終わった段階であらかじめ翌日のタスクを確認しておく事で、翌日の就業開始からすぐに効率良く動き出す事が出来ます。
タスク管理をアナログ方式で行うメリット
アナログ方式でタスク管理を行う方法についてここまで説明してきましたが、紙の上でタスク管理を行う事で得られるメリットにはどういった例が考えられるのでしょうか?いくつかの具体例を以下に挙げていきます。
- 誤って削除、保存に失敗してしまうといったリスクが少ない
- 手を使って筆記していく事で、書いた内容を忘れにくい
- デジタル設備やネットワーク環境が整備されていなくても使える
- 俯瞰した視点で確認ができるので、タスク全体を把握しやすい
- スマートフォンやパソコンの操作に不慣れな人でも紙とペンさえあれば始められる
タスク管理をアナログ方式で行うデメリット
タスク管理を紙の上で行うメリットはそのシンプルさを長所としてある程度挙げる事が出来ましたが、シンプルであるが故に生まれてしまうデメリットもまたあります。
- タスク管理を行っている紙を紛失してしまうリスクがある
- 個人ではタスクの把握が容易だが、部署やチーム間では情報共有しにくい
- オフィス以外で仕事を進めようとした際にはタスク管理に使っている紙を必ず持ち歩く必要がある
- 変更や追加があった際に記入漏れや記入自体を忘れてしまう可能性がある
タスク管理を紙の上で行うが故のデメリットですのでこのようなデメリットが生まれる事で仕事に支障をきたすようであれば、アナログ方式に依存したタスク管理方法はリスクが高くなってしまうでしょう。
その他のアナログ方式によるタスク管理方法
ここまで紹介してきた管理方法の他にも一つの付箋に対して一つのタスクを割り当てホワイトボードなどに貼り出し、終えた順に剥がしていくと言った方法や、To doノートを作成し日付/タスク/納期といった項目を設けて書き込み管理する方法などがその他のアナログ方式によるタスク管理方法の一例として考えられます。
まとめ
今回の記事では、タスク管理をアナログ方式で行う方法やメリット・デメリットについて詳しく説明してきました。デジタル管理ツールを運用している人が増える中であっても、アナログ方式の取り入れやすさやアナログであるが故の使いやすさはまだまだ魅力的です。
アナログ方式でタスク管理を行う中で上手くいかない場合、生まれた時にツールの便利な機能を上手く運用し、双方の方式の良さを活かして併用するのも良いでしょう。ぜひ今回の記事で改めてアナログ方式によるタスク管理の有用性を再認識していただき、生産性向上にお役立てください。