従来の働き方において、いわゆる「報告・連絡・相談」に用いられる方法というと口頭、メールリスト、社内の掲示板や書類の回覧が主でした。しかし、そういった方法では、発信者の思うとおりに情報が行き届かない、伝達に漏れが生じる、他の情報に埋もれてしまい閲覧されなかった、などといったトラブルが起こる可能性があります。
今回は、そうした課題を解決できるツール「ビジネスチャット」ができることと導入前の注意点について、詳しく説明していきます。
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目次
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットとは、個人向けチャットサービスにメッセージの検索、タグ付け、タスク共有機能やスレッド機能などを付加しビジネスシーン向けに機能強化したチャットツールです。社内はもちろん、取引先や顧客とのやりとりも想定されているのでそうした社外の人とも使用が可能です。
ビジネスチャットでできること
ビジネスチャットを今後導入しようと検討されている方の中には、「個人向けチャットサービスでまかなえるのではないか?」「情報共有は社用携帯やスマートフォンで十分なのでは?」と思われる方も多くいるでしょう。そこで、実際にビジネスチャットを導入した場合具体的にどのようなことが可能になるのでしょうか?
多くのビジネスチャットツールに備わっている代表的な機能を3つご紹介します。
チャット機能
個人向けチャットツールと同様にチャット機能が使用できますが、ビジネスチャットではチャット内にタグを付加することで後から共通の話題をまとめやすくなっていたり、検索機能が付いていたりとより情報の整理がつきやすくなっています。
グループ作成機能
ビジネスの場において、プロジェクトや案件をよりスムーズに進行させるためにはチーム内のコミュニケーションが必要不可欠です。ビジネスチャットツールではグループ作成機能が搭載されていますので、用途に合ったグループを作成、運用していくことが可能です。
「縦の連絡用」「横の連携用」といった具合に、グループを細分化して作っていく事で、組織内のコミュニケーションを活性化させる効果が望めます。基本のルールとして、目的ごとにグループチャットを作成するのが効果的です。
1つの目的・話題について1つのグループチャットを作成することにより、情報が1つの場所に集約されて業務の効率化を図ることができます。
音声通話・ビデオ通話
ビジネスチャットツールでは音声通話、ビデオ通話も利用可能な機能として搭載されています。個人向けチャットにも基本機能として備わっていますが、セキュリティ面における対策や、データ共有のスムーズさにおいてビジネスチャットツールで音声通話が可能なことによるメリットは充分大きいと言えるでしょう。
また、日頃使っているグループ内でシームレスにビデオ通話を立ち上げることが可能なので、突発的なWebミーティングが必要になっても事前準備をそこまで必要とせず、すぐにWebミーティングを開催できます。
タスク管理
ビジネスチャットツールの大きな魅力として、タスク管理機能が備わっているツールが多い事もあります。多くのプロジェクトに同時進行で関わっている人の場合、個人レベルでのタスク管理に任せるのはなかなか難しい状況になる場合が考えられます。
しかし、タスク管理機能がビジネスチャットツールに組み込まれていると常に最新の情報がチーム内で共有、管理する事が可能になります。また、他のチームメンバーのタスク進行状況も把握する事ができるので、チーム全体でタスクを管理する意識も向上し、結果として生産性アップ・効率アップに大きく繋がります。
導入前に注意したい事
先述してきた基本的な機能の他にも、最新のビジネスチャットはより便利で多種多様な機能を備えており、複雑な操作をすることなく使えるようになっています。しかし、便利かつ手軽であるがゆえに思わぬトラブルを招きやすい事も確かです。利用を始める前に、安全かつ便利に使うための注意点をきちんと知っておく必要があります。
社内の運用ルールを決めておく
情報漏洩などのトラブル原因に、はっきりとしたルールが決まっていなかった、ルール自体決まってはいたが実際の所浸透していなかった、というケースが見られます。
- プライベートな用件では使用しない
- 既存ツールとの線引きを決め、明確に使い分ける
- グループチャットの運用方法、運用時間を決める
上記のようなルールを事前に定めた上で運用を始める事が重要です。また、チーム内にルールを浸透させるためにも定めたルールは管理者によって発信される必要があります。
セキュリティ対策の強化
ビジネスチャットツールを利用する場合に注意したい事が、セキュリティ性能・対策についてです。導入企業数の多い代表的なビジネスチャットツールでは、多くの場合国際規格(ISO)認証の取得や、暗号化アルゴリズムなどを用いて独自の対策を取っている物がほとんどです。
ビジネスシーンでは社外秘のデータや機密性の高い情報を扱うことが多くなりますので、ビジネスチャット自体や連携予定のソフト、社内ネットワークのセキュリティ対策の見直しも必要になってきます。
ビジネスチャットの導入・活用事例
いよいよ本格的にビジネスチャット導入を検討していくという段階に入った場合は、既にビジネスチャットを導入済みの企業の活用事例を参考にするのも良いでしょう。代表的な例として、チャットワーク社によって開発された「Chatwork(チャットワーク)」というビジネスチャットを紹介します。
数多くあるビジネスチャットツールの中でも、日本国内で開発され、導入企業は26万4,000社にのぼる導入率を誇っています。他にはslack、Microsoft Teamsが有名所ですが、導入の検討にあたってこちらの記事も是非参考にしてみてください。
まとめ
今後のビジネスシーンにおいて、より柔軟で幅広い働き方を取り入れることでさらなる変化が起こることが予想されます。そうした中でビジネスチャットツールを導入することで、企業に属する人々にとって大きなメリットが生まれるといえるでしょう。
企業を支えるプロジェクトを担うチームにおいて、よりスムーズなコミュニケーションを図るためにも、ビジネスチャットについて知るきっかけとして是非この記事を役立てていただけたら何よりです。