企業の意思決定におけるスタイルの形として「トップダウン」と「ダウンアップ」があります。近年では、社員の意見を尊重するボトムアップが良いとされている傾向にありますが、一概にそうとは限らないこともあるようです。
そこで今回は、ボトムアップが本当に企業を成長させるのか、トップダウンとの違いとそれぞれがもつメリットやデメリットについて詳しくご紹介します。
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目次
ボトムアップとトップダウンの違いとは
そもそもボトムアップもトップダウンも企業経営上において行われる意思決定スタイルのことを言います。ここでは、それぞれがもつ意味と特徴についてしっかり理解しておきましょう。
ボトムアップ
ボトムアップとは、日本語で「下位上達(かいじょうたつ)」と言います。下層部、つまり現場に従事する社員たちから上がってきた提案やアイデア、意見などを経営陣が吸い上げて集約し、意思決定に反映していく手法です。
トップダウン
トップダウンとは、日本語で「上位下達(じょういげたつ)」と言います。経営者や役員など、組織の上層部が意思決定を行い、決定事項を下層部に指示し、それに沿って従業員が業務を行うという手法です。
ボトムアップのメリットとデメリット
組織におけるボトムアップでは、現場に従事している社員が上層部へアイデア提案や改善策の提案などを行います。上層部では気づかないような細やかな提案がなされるので、現場の従業員にとっては働きやすい職場づくりがしやすくなります。
また、上層部としても様々なアイデアが提案されるので、さまざまな方向性を持って意思決定を行うことが可能になります。しかし、あくまでも決定するのは上層部であり、全ての提案が採用されるというわけではありません。
ここでは、ボトムアップのメリットとデメリットについての詳細を具体的にみてみることにしましょう。
メリット
ボトムアップによるメリットは以下の通りです。
1.現場の意見が反映されやすくなる
ボトムアップでは現場からの提案が上層部へと上げられるので、経営陣があまり気づかないような現場の意見が反映されやすくなるというメリットがあります。
職場環境の課題や問題点などを改善し、働きやすい職場づくりはもちろん、お客様の意見や要望、市場の変化や取引先・競合他社などの情報も共有しやすくなるので、柔軟な対応ができるようになり、組織の生産性向上にもつながります。
2.主体的に行動できる社員が多くなる
ボトムアップでは、現場の意見を吸い上げて意思決定がなされます。風通しの良い職場環境で、自分たちが実際に働いている現場で気づいたことやお客様からの声、要望など細やかな気づきを発言しやすくなります。
新入社員や中途採用者でも積極的な意見を提案することで、社員一人一人の主体性を伸ばすことが期待できます。
3.たくさんのアイデアが生まれやすい
会社に従事している社員は、上層部である経営陣よりもより会社の業務に密着した現場でさまざまな課題や問題点を感じているはずです。「もっとこうしたらよいのに」、「こうすればよりよくなるのはないか」などの提案やアイデアは、現場ならではの気づきです。
ボトムアップは、組織全体の雰囲気をよりよいものにし、会社の利益につなげるのはもちろん、社員全体のモチベーションをあげる効果も期待することができます。
デメリット
ボトムアップによるデメリットは以下の通りです。
1.意思決定のスピードが遅くなる
ボトムアップでは、下層部での意見やアイデアをある程度取りまとめて上層部へ上げるため、一定の期間を要します。そのため、意思決定するまでのスピードが遅くなってしまい、緊急を要する事案などには不向きな点があります。
2.現場社員の能力によって偏る傾向がある
ボトムアップで意見提案では、積極的な意見を出す社員もいれば、無難な意見しか出さない社員もいることでしょう。主観的な意見や私情をはさんでしまうことや、意見を出さない社員もいるかもしれません。
部署や現場によって適切な判断ができる優秀な人材がいなければ、ボトムアップ組織を管理していくことは難しくなってしまいます。
トップダウンのメリットとデメリット
トップダウンの組織では、会長や社長、役員など会社の経営陣が意思決定を行います。少人数、もしくは経営者独自の判断で物事が決定され、下層部へと指示が発令されていきます。提案されてから決定までの運営がなされるため、実行までの期間がとてもスピーディーです。
中小企業のトップダウン組織は、いっけんするとワンマン経営といったイメージが強い傾向にあります。実際に現場の意見が通りにくい職場では不満や反発を抱える社員が増えてしまう可能性もあります。
メリット
トップダウンによるメリットは以下の通りです。
1.スピーディーな意思決定ができる
上記にも述べた通り、トップダウンの組織では上層部が意思決定を行います。そのため、新商品や新しいプロジェクトやさまざまなサービスなど、市場をいちはやく分析して斬新なアイデアとスピーディーな実行を行うことが可能になります。
2.企業の急成長が見込める
カリスマ性を持った実力のある優秀な経営者によるトップダウン組織では、急成長している市場をいち早く捉え、企業規模を急拡大することが見込めます。経営者が優秀な人材を適切な部署に配置させ、効率的に業務を進めることができるので、会社全体の生産性の向上も見込むことができるようになります。
3.組織の一体化が見込める
優れた経営者によるトップダウン組織では、社員との信頼関係の深さによって会社の士気をより高めることもあります。会社全体の連帯感を生み出し、社員が一丸となってトップを支えるという強力な体制に育て上げることも可能です。
デメリット
トップダウンによるデメリットは以下の通りです。
1.現場での課題が反映されにくい
トップダウン組織では、上層部がさまざまな意思決定を行うため、上層部から下層部へと指示が伝達されることになります。そのため、現場での課題点やお客様からの声など、細やかな点での気づきが遅くなり、社員やお客様からの不満が蓄積されてしまう可能性が高くなります。
2.社員が受け身になりがち
トップダウンの組織では、上からの指示によって行動が決められるため、「言われたことをやればいいや」など、受け身になりがちな社員が多くなります。受け身の姿勢が強くなればなるほど、業務に対してのモチベーションも低下する傾向があるので、注意が必要です。
3.トップの能力次第で会社経営が変わる
トップダウンの組織では、特に経営者の意思決定力が強く、会社のあらゆる点で経営者による経営が行われている場合がほとんどです。万が一、経営者交代などでこれまでの経営が大きく変更された場合、ついていけないと感じる社員が多くなり、不安を募らせてしまう可能性も高まります。
まとめ
ボトムアップ組織では、社員の意見を吸い上げて意思決定を行います。一方で、トップダウン組織では、上層部から現場への指示を出すスピードが早く、実行力のある意思決定ができるということもわかりました。
どちらか一方だけにこだわるのではなく、両方の良いところを取り込んでみるのも良いのではないでしょうか。ぜひこの機会にボトムアップとトップダウン双方の組織の理解を深めてみてはいかがでしょう。
ナレッジマネジメントにおすすめのツール「Huddler」
業務の効率化にもおすすめなのが「Huddler(ハドラー)」です。リモートワークなど離れて業務を進める上で課題になる情報共有のあらゆる課題を解決することができるオールインワンツールです。
現在無料のβ版で提供しており、容量制限もなく初めてITツールを使うという方でも気軽に利用することができます。
Huddler(ハドラー)とは
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler(ハドラー)」
https://service.huddler.app/
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler」は 業務における情報を適切に管理し、チームとビジネスを前進させる⽣産性向上のためのサービスです。
Huddlerには「会議」「タスク」「wiki」「ファイル」の4つの機能が備わっており、掛け合わせることで業務効率化を実現します。
- リモートワークと出社するメンバーが混在しており、チーム内の業務がいまいち分からない
- 業務効率化ツールはIT企業向けのプロジェクト管理ツールばかり
- 打ち合わせで伝えたタスクに認識のズレがあり、思い通りに進まない
- カスタマイズをしないと便利に使えないツールが多い
このような情報管理における様々な課題を簡単に解決することができます。
Huddlerの4つの機能
会議
Huddlerの会議機能はルームごとに会議の内容が格納され、情報の整理が簡単にできる機能です。Huddlerでは、内容を記載すると自動で保存される仕様になっているため、他のメンバーへのリアルタイム共有が可能となります。またテキストを直感的に入力するだけでなく、それぞれの会議に紐づけたい画像やPDFファイルなどの資料、会議で出た「タスク」など、あらゆる情報を記載・添付することが可能です。
タスク
Huddlerは会議に紐づけてタスクの管理をすることもできます。会議ごとに紐づけられることによって、前回の打ち合わせで誰がいつまでにどんなタスクを与えられたのか、そのタスクの進捗状況はどうなのかを逐一確認することができ「言った言わない問題」や「認識の齟齬」によるトラブルを回避することができます。
併せてタスクを一覧で看板形式で管理することができます。「トレイ」と「タスク」の2つの要素で構成されており、縦軸のトレイも目的や用途に合わせて自由に作成することができます。例えば、ワークフローを軸に管理する場合はステータスでトレイを分け、担当を軸に管理する場合は 担当者名でトレイを分けます。 チームのニーズに合わせてトレイは⾃由に作成できます。
タスクはドラッグ&ドロップで簡単に移動することができるので、進捗状況に合わせてトレイを移動させて常に最新の情報を共有することができます。 タスク名、担当 、期限をそれぞれ設定することが でき、タスクごとにコメントも残せるので、 進捗確認にも便利です。
wiki
Huddlerのwiki機能はルームごとに共有したいあらゆる情報をストックできる機能です。社内マニュアルや日報など様々な情報を直接蓄積することができます。「マニュアル類」「業界ニュース」「リンク集」などそのルームの目的や用途に合わせてカテゴリ分けをし、社内wikipediaとして運用することができます。そのほかに、他のユーザーに編集権限を付与することができたり、投稿毎にコメントの可否を設定できたり共有する内容によってカスタマイズすることが可能です。マークダウン記法にも対応しています。
ファイル
Huddlerのファイル機能はシンプルで誰でも使いやすい仕様になっています。ルームごとにデータを蓄積することができ、フォルダの名前は「クライアント名」や「メンバーごと」、「レポート用」など、チームの目的や用途ごとに合わせて自由に決めることができます。会議に添付したファイルも自動でファイルに集約され、一元管理することが可能です。
Huddlerは現在無料で全ての機能をご利用いただけます。アカウント登録はこちらから。