近年、多くの企業では、社内wikiの導入が広まっています。社内wikiは、企業内の情報やカレッジを全社員で共有するために活用されるツールです。しかし、ニーズが増えているとはいえ、「社内wikiツールの導入を検討しているが、社内wikiそのものがよくわからない、」という人もいるのではないでしょうか。
今回は、なぜいま社内wikiが必要なのか、社内wikiツールを導入して得られるメリットと、おすすめの社内wikiツールについて詳しくまとめました。
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目次
社内wikiとは?
社内wikiとは、社内マニュアルとして利用している各部署の情報やナレッジを取りまとめ、データ化して保存するツールです。インターネットを利用している人なら知っている百科事典の要素をもつ「Wikipedia」の社内版が社内wikiツールとイメージしてもらうのが一番よいでしょう。
社内wikiが管理するデータは随時蓄積されていき、いろいろな部署がもつ知識やノウハウを一か所に集約して管理・運用することになります。調べたいことがあれば、いつでも社内wikiで必要な情報を収集することができるので、新入社員や中途採用者の研修などでも利用されることが増えています。
社内wiki導入が必要な背景
社内wikiを導入する企業が近年急速に増加しているのには、国内の深刻な少子高齢化問題があります。十分な人材確保ができないために、従業員一人当たりへの負担は大きくなるばかりで、生産性の低下も懸念されるほどです。
そんな中、こうした課題を少しでも減らすための対策として、注目を集めたのが社内wikiです。ここでは、なぜ社内wiki導入が必要になったのか、その具体的な背景について見てみることにしましょう。
ナレッジ・情報がチーム単位でしか共有されていない
近年では、働き方改革の推進やコロナウィルスの影響に伴って、在宅勤務やテレワークといった自由な働き方を採用する企業が増えてきました。
会社に出勤することが減ったことにより、必要な情報は部署内でのやりとりのみに偏りがちで、重要なナレッジや大切な情報がチーム単位でしか共有されていないという事態が多く見られるようになりました。他部署の情報を知りうるには、担当者や上司への確認が必要となり、すぐに情報を得ることが難しくなっていることが挙げられます。
人材教育のコスト削減対策
冒頭にもお伝えした通り、日本国内の深刻な少子高齢化に伴って、多くの企業でも人材不足の状態がつづいています。新入社員や中途採用で人材を採用しても社員研修やOJTなどで十分な教育を担当する人材自体がいないということも珍しくありません。
社内wikiに社内マニュアルや各部署の業務についての情報やナレッジを蓄積しておけば、人手がなくとも情報共有ができ、効率的な教育が可能になります。
退職などによる必要な情報を引き継ぐ環境づくり
社内で退職者が出た場合、通常であれば、後継者への引継ぎを行う期間を設け、業務の情報やナレッジを対面で行うことになります。しかし、引継ぎには時間がかかるだけでなく、全ての情報を限られた時間に伝えることはかなり難しい作業になります。
社内wikiなら、退職者が必要な情報をすべて入力しておけば、後継者がいなくとも誰もがその情報をみて引き継ぐことが可能になり、引き継ぎに掛かるてまひまを軽減することができます。
社内wiki導入のメリット
社内wikiを導入したことによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか、ここでは、3つのメリットについて詳しく見てみることにしましょう。
情報やノウハウ共有の一元化
社内wikiツールを導入することで、これまで部署ごとに管理していた業務の情報やナレッジやノウハウがすべて一つに集約されるようになります。大切な情報の管理が一元化されたことにより、管理・運用がよりかんたんに行えるようになるほか、必要な情報はすぐに検索して見つけることができるので、無駄な時間を浪費する心配もなくなります。
人材育成の促進
社内wikiを利用すれば、業務上で知っておいてもらいたいこと、わからないことはすべて自分で調べることができるので、新入社員や中途採用者、転勤者への対応もスムーズになります。特に重要な部分はメモを取ってもらう、ひととおり目を通した後、かんたんなテストで内容をフィードバックする程度の人がいれば、特別な研修をする必要はありません。
業務上のナレッジ・情報の属人化を防げる
社内wikiを導入することによって、部署間での情報共有や必要な業務上の知識をすぐに調べることができます。お互いがお互いの教務を理解していれば、やりとりもスムーズに行えるのはもちろん、業務時間の短縮にもつなげることができます。また、ナレッジやノウハウは日頃から定期的に入力することで最新の情報を保つこともできます。
おすすめの社内wikiツール3選
ここでは、国内でも人気の高い3つの社内wikiツールについてご紹介します。
1.Scrapbox
Scrapboxは、情報整理や分類全てを自動で行ってくれる社内wikiツールです。重要な単語に「」をつけるだけで、自動で関連ノートを紐付けしてくれるので、新しいフォルダ作成などの手間は必要ありません。個人としての利用は無料ですが、法人の場合は、1ユーザーあたり月額1000円で容量無制限で利用することができます。
2.esa
esaはITエンジニア向けのwikiツールです。マークダウンやバージョン管理、WIPなどエンジニアに馴染みのある機能が豊富に盛り込まれています。「情報を育てる」をコンセプトにしたwikiで記事を公開したあとも更新を重ね、記事がまとまってきたらグループ分けをして管理する、といったことを推奨しています。
料金プランは1ユーザー月額500円となっています。
3.Kibela
Kibelaは、個人用と共有用、2つの情報管理場所を持つことができる社内wikiツールです。個人的な情報はBlogに。共有すべきナレッジやノウハウはWikiにといった具合で個人的に覚えておきたい内容をメモがわりにして利用することができます。料金プランは3つあり、それぞれに無料プラン、スタンダードプラン月額550円、エンタープライズプラン月額1650円(いずれも1ユーザーあたり)があります。
4.Huddler
Huddlerはグループでの仕事、情報共有に最適なコラボレーションツールです。wikiの他に、タスク、ファイル、議事録などオールインワンの機能が揃っており、クラウドのオフィスのような存在です。リモートワークでもチーム間の業務を効率化することが可能です。
https://service.huddler.app/
まとめ
今回の記事で曖昧だった社内wikiがどんなものなのか、なぜ注目されているのかが、十分理解できたのではないでしょうか。社内wikiを導入したことによるメリットは、企業が抱える人材不足を少しでも改善してくれることでしょう。
さまざまな種類がある社内wikiですが、無料で利用できるものもたくさんあるので、まずはお試しのつもりで導入を検討してみてはいかがでしょう。