ビジネスの場において、日々いくつものプロジェクトを進行している方々の中でよく耳にされるのがプロジェクト管理(マネジメント)というワードかと思います。そして、その中でもさらに重要視している企業が多いとされている項目が採算管理です。採算管理を行うための原価には、仕入れ品・外注品なども含まれますが一番重きをおいて管理されるべきとされているのがプロジェクトに関わっている社員の労務費です。
また、社員によっては単一のプロジェクトだけでなく複数のプロジェクトを掛け持って参加している場合ももちろんあり、そうした際に労務管理を行う上でどのプロジェクトに、どれだけ関わったのかを正しく管理するためにも欠かせないのが工数管理です。
正確なプロジェクト進行プランや見積もりの作成、納期の管理を行うためにもやはり工数管理が重要になってきます。今回の記事では、プロジェクト管理を行う上での工数比率について、何故プロジェクト管理工数比率が重要視されているのかを説明していきます。
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目次
プロジェクト管理における「工数比率」とは?
では、工数比率とはどういったものを指すのでしょうか。プロジェクト進行における工数比率とは、一つのプロジェクトに対して進捗管理・品質管理・変更管理・障害管理などを行う工数の比率です。メンバー一人当たりどのプロセスにどの程度の工数をどれだけ割り当てるかを割り出す事によって、今後のプロジェクトに対する見通しを立てていきます。
プロジェクト管理を進めていくにあたって、適切な見積もり作成は欠かすことのできない大切な要素です。これが上手く作成されないことによって余計な手間や時間を掛けることとなり、結果として予定外のコストを無駄に掛けてしまう、納期に対して間に合わない、制作物の品質が基準に達しない、といった問題が生じてしまいます。適切に管理工数比率を割り出すためにも、まずは必要な作業タスクを洗い出し綿密なプランを作成しましょう。
プロジェクト管理の工数比率を見積もるには
プロジェクトの管理工数は全体に対して約1〜2割とされていますが、ユーザーに対しては「なぜ1〜2割程度の工数を必要とするのか」に対する根拠を具体的に提示する事でより確実に納得して貰う事ができます。具体的な工数比率を見積もるための方法としては以下のように行う事でより算出しやすくなります。
- 管理工数に対する作業項目を洗い出す
- 作業項目に対して工数を割合で算出する
- 各作業項目・工程に対してどの程度の割合をあてがうのかを定める
なぜプロジェクト工数比率管理が重要なのか
こうした工数比率管理が重要視されている背景には、どのような事が考えられるのでしょうか?ここでは考えられる5つの理由について詳しく掘り下げていきます。
目の前で取り組んでいるタスクのみに集中できる
社員目線で考えた際にまず考えられるのが、目の前の作業に集中できる点です。工数比率が管理される事でチーム全体が取り組むべきタスクがプライオリティ順に全て洗い出され、見える化された形になるためメンバーは個人のやるべき事が明確化され迷う事なく作業に取り組む事が出来るようになります。
メンバー各個人がコストへの意識が高まる
もう一つ社員目線になった際に考えられることとしては、コストに対する意識の向上です。先述した通り工数比率管理によって様々な事が見える化されることになりますが、取り組むべき作業の他にも最新のコスト状況や利益状況も同じように明らかにされます。
そのため、プロジェクトリーダーだけでなくチームに参加するメンバー一人一人がコストに対しての意識が変わり、作業効率化に対する意欲がより湧きやすくなります。つまりただ上司に言われたから、アサインされたから、だけではなくメンバー個人個人が「当事者意識」を持ってプロジェクトへ参加することに繋がるのです。
メンバーの作業負荷状況を知る事が出来る
今度はマネージャー、リーダー目線に立った際に見えてくる事としてはメンバーの作業負荷状況を知る事が出来るという点が考えられます。企業として全ての社員が適切に稼働する事はとても重要です。工数比率管理が正しく行われないと、毎日社員一人一人に状況を伺って作業状況を知ることは到底できないため、具体的な数字や割合に頼ることなく社員からの「大丈夫です」「少し忙しいです」といった曖昧な報告を信じる他ない状況となってしまいます。
そのため、水面下で特定の人に作業が偏ってしまったり手が空いている人を見逃してしまったりするといった事が起きかねません。個人それぞれの負荷は今どのような状況なのか、どの程度続くのか、負荷を分散した方が良いのかを常に工数比率によって把握し対処していく事で生産性の向上をもたらす事ができます。
各プロジェクトの稼働率が分かる
工数比率管理によってマネジメント側に得られるメリットとして、プロジェクトの稼働率を把握できることも挙げられます。作業工数に含まれているプロジェクトのうち、稼働プロジェクト(例:顧客から報酬を受け取っているもの)、非稼働プロジェクト(例:社内ミーティング)をそれぞれ明確に分けて管理することで正確な稼働状況が分かります。
社員個人・チーム・課・部署・全社単位で管理を行うことで業務の偏りや無駄を把握し見直しを図ることができます。
ユーザーや顧客に対して進捗状況を正確に伝えられる
ユーザーや顧客目線に立った時に考えられる大きなメリットは、進捗状況を正確に伝えられる事でしょう。先述したような目線で日々工数管理を行う事でプロジェクトの進捗状況も常に見える化された状態となるため、その情報は社外の方々に対しても社内同様リアルタイムに提供する事ができます。
こうした働きかけによって、進行中のプロジェクトに対してユーザーや顧客が感じがちな不安を和らげ、信頼感を与えやすい環境を整える事ができます。
工数管理の具体的な方法
工数管理は企業や組織によって様々な方法がとられています。
ガントチャート
プロジェクト管理方法では一番古い手法となっており、簡単に言うと何かしらの仕事や作業を表にしてまとめて管理する方法です。
作業内容やその起源がハッキリと視覚化されているのが特徴となっており、もし日程の変更をしたい場合はすぐに調整出来るようになっているのも特徴です。
WBS
『WBS』とは、プロジェクト内の作業を分解して図に表す管理方法のことを言います。断層で細かい作業を確認出来るようになっているので、全体像が見やすくなるのはもちろんのこと、タスクが漏れる心配が減って作業量の見積もりもしやすくなるのが利点です。
ただし、スケジュールが表で見られるものではないので、一目では分かりにくい点もあります。
CCPM
『CCPM』とは、余裕をもってプロジェクトの作業スケジュールを組む手法のことを示します。どんな職種でも仕事や作業をギリギリまでやらずに、期限ギリギリで仕事を終わらせる場合が少なくありません。
CCPMではあえて余裕がないスケジュールで作業を組むことによって、急いでプロジェクトを達成させるようにします。
PERT
こちらの手法は、プロジェクトの中の作業や仕事の優先順位を見やすくした図のことです。ちなみに、作業にかかる時間も記載されているので仕事の遅延や先延ばしを防ぐことも出来ます。
タスク管理・プロジェクト管理におすすめのツール
タスク管理ツールは国内外含め数多提供されているため、自分たちの組織の目的や状況に合わせて、一番フィットするツールを選ぶことで、その後の運用もスムーズになります。
「社内外のメンバーとのシームレスな情報共有」や「タスクの直観的な管理」を重視したい場合は、「Huddler(ハドラー)」がおすすめです。シンプルな画面設計でITツールに詳しくない方でも簡単に使い始めることができます。
Huddler(ハドラー)とは
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler(ハドラー)」
https://service.huddler.app/
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler」は 業務における情報を適切に管理し、チームとビジネスを前進させる⽣産性向上のためのサービスです。
Huddlerには「会議」「タスク」「wiki」「ファイル」の4つの機能が備わっていますが、その中でタスク機能では下記のような課題を簡単に解決することができます。
- リモートワークと出社するメンバーが混在しており、チーム内の業務がいまいち分からない
- 適切な業務配分になっているのか分からないため、誰に仕事を振っていいいのか分からない
- 打ち合わせで伝えたタスクに認識のズレがあり、思い通りに進まない
- 業務の優先順位が正しいのか不安だが、とりあえず⽬の前にあるものから⼿をつけてしまう
- 緊急度の⾼い業務がなぜか後回しにされてしまい想定外のトラブルに
Huddlerのタスク機能
会議、プロジェクト、個人 全てのタスクが一括管理出来る
プロジェクトやチームごとなど目的別に区切られたルームの中で、誰がどんなタスクを持っていて、進捗状況はどうなのかが一目瞭然になりす。納期確認や仕事の割り振りにかかっていた時間的なコストも削減ができます。
直感的で誰にでも使える 自由度の高いステータス管理
ノートに付箋を張り替えるような感覚でカンタンに操作ができるカンバン形式を採用。ITツールに詳しくない人でもスムーズに使いこなせるシンプル設計なので安心して導入できます。
現在無料アカウント登録はこちらから。
まとめ
プロジェクト進行における工数比率とは、全体に対して管理に必要な作業工数を割合で明らかにする手法です。管理工数比率の重要性を正しく理解し、実践する事でプロジェクトが企業やお客様にもたらす利益や生産性を最大化し、社員一人一人のモチベーションを高めることにも役立ちます。
今後チームの一員としてプロジェクトに参加する際は、是非今回の記事で詳しく紹介した内容を意識づけの参考にしてみて下さい。