自社企業における部署・チームごとの業務を日々スムーズに進めるためには、業務マニュアルや手順書といったものの存在が必要不可欠です。どんな立場・年代の社員にも伝わりやすいマニュアルを作成するためには、どういった点に気をつけなくてはならないのでしょうか?
今回の記事では業務マニュアル作成にあたって意識すべきコツや、マニュアル作成の手順について詳しく解説していきます。
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目次
業務マニュアル作成の目的
そもそもマニュアルとは、一体どういった目的のもとに作成されるのでしょうか。本来作業マニュアルを作成する目的としては、指導者や担当者が不在の場合でも日々の業務が能動的に行われるため、とされています。事前にマニュアルを作成し配布しておく事で担当以外の社員も問題なく業務を進めることができ、求められるクオリティの水準も理解しておくことができます。
また、新入社員や中途入社の社員に向けた社内教育が必要な場合も、マニュアルがあることで指導係として担当が付き指導やサポートする際の負担を軽減することが可能になります。
業務マニュアル作成の手順
では、実際に業務マニュアルを作成する際の流れを、順を追って確認していきましょう。
①マニュアル作成前の準備
マニュアルを作成する前段階として、どのようなマニュアルを作っていきたいのかを明確にしておく必要があります。具体的には以下のようになっています。
- 説明する対象業務のどこからどこまでをマニュアル化するか
- 実際にどういったユーザーが対象なのか
- 作成にはどのようなツールが適しているか
- どのような方法でマニュアルを共有するのか
ここに挙げた点について内容を洗い出しておきましょう。
②スケジュールを確定する
業務マニュアル作成前にその基本的な目的について明らかになったところで、続いて必要なのがマニュアル作成のスケジュールの決定です。「いつまでに」「どのくらいの時間を掛けて」作成していくのか、という具体的な計画を立てることで、他の日常業務や雑務に追われてマニュアル作成が進まず、最悪の場合はマニュアル作成の計画自体が頓挫位してしまうケースもあります。
スケジュールを組んでいく際には、合わせてマニュアル作成に必要とされる人員や工数も見積もっておくとより計画をスムーズに進めていけるでしょう
③業務内容・手順の確認と整理
全体のスケジュール感が掴めたところで、続いて業務内容や手順の確認を進めていく必要があります。一つの業務をマニュアルに落とし込む際は、作業をタスクごとに細分化していくのが大切です。
また、そのタスクを行うことでどういった処理が行われ結果につながっているのかを併せて記載しておくことで、業務への理解を深めることができます。
④業務を遂行する際の注意点を洗い出す
業務内容や手順の確認、整理を完了させたら実際に業務を進めていく上での注意点を洗い出しておきましょう。具体的に配慮が必要な点は以下のような部分です。
- 作業の段取りをまとめて記載する際に本来必要な工程が省かれていないか
- 業務のプロセスにおいてはっきりしていない点がある
といった内容が具体的な例として考えられます。また、業務マニュアルを作成する上で無くしていかねばならない概念が「暗黙の了解」です。
社員個人によって特定の業務に対して業務のノウハウや蓄積したナレッジの量に差が生まれ「どういったものを基礎とするか」といった認識にも差があるのが普通です。
マニュアルを作成するコツ
先述したマニュアルを作成する段取りはおおよそ理解したところで、実際にマニュアルを作成する際に知って置きたい作成のコツについて、具体的なものをいくつか挙げていきましょう。
5W1Hを意識して作成する
「5W1H」とは、英語でいうところのWho/When/Where/What/Why/Howをまとめた所謂略語で、ビジネスシーンにおいて他社員との間で情報を共有する際に押さえておかなくてはならない基本的な考え方の一つです。
業務マニュアルを作成する上でこの5W1Hを常に意識しておくことで、伝えなくてはならない内容をより分かりやすく、シンプルにまとめることが出来るようになります。
フローチャートを用いる
マニュアルを作成する上で役に立つのが先述した5W1Hに加えて、フローチャートを利用していくのも大いに役に立ちます。フローチャートは主に業務のプロセスやシステム構築を行う際に利用される図式で、各工程やプロセスを段階ごとに結びつける事で理解を進めるアプローチの一つです。
マニュアル作成後、運用しつつ改善を行う
先述してきたコツを踏まえ、作業手順に沿ってマニュアルの作成を終えた後に注意せねばならないのが、運用を始めるだけでなく現場の声を聴きその都度改善を行っていく事です。運用する事で見えてくる要素も多くあるかと思われますので、問題が発生した場合はその都度改善を試みていきましょう。
まとめ
業務マニュアルを作成する事で、今まで特に何も思わず行ってきた作業プロセスに改善の余地が見つかったり、各作業において作業効率の向上が図られたりするケースも十分にあります。マニュアル作成にはそれ相応の工数や時間的コストが必要となりますが、運用が開始される事で得られるメリットも多く存在します。
実際にマニュアルを作成する際には、ぜひ今回の記事を参考に進めていただけますと幸いです。