在宅勤務における通勤手当はどうなる?疑問点を解決するポイント

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在宅勤務における通勤手当はどうなる?疑問点を解決するポイント

近年、政府主導により働き方改革が推し進められていますがその一環として「在宅勤務・テレワーク」が急速に浸透、導入されています。そうした動きの中で多くの企業の中で今話題になっているのが「在宅勤務実施に伴う交通費支給の見直し」です。今回の記事では、在宅勤務導入に伴う通勤手当の見直し、その際生じる疑問点を解決するためのポイントについて詳しく説明していきます。

 

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在宅勤務によって通勤手当の見直しが必要?

在宅勤務導入に伴い、通勤の必要が無くなったことにより交通費の支給を見直すべきかどうか、という問題が生じています。実際のところ、社員個人レベルや部署によって出勤に関する実態が大きく異なっているのが現状と言えます。

 

都度社員からの申請を行い、処理を行う事も一つの手段ですが給与担当部署の負担が増えてしまいます。企業としてどのようなルールが必要か、検討の上での見直しが必要です。

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通勤手当を見直す際のポイント

それでは通勤手当を見直していく際、主にどういった事に気を付けていく必要があるのでしょうか。以下、具体的なポイントを挙げて説明していきます。

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在宅勤務の実態を把握する

まずは自社内にどの程度在宅勤務制度が浸透しているのか、そして社内において在宅勤務が今後どの程度浸透しているかという計画を把握する必要があります。現状の在宅勤務率、そして今後の在宅勤務率を把握する事で実費支給に切り替えた際のコストメリットが生まれているかどうかを判断する事ができます。

通勤手当と社会保険の関係性に注意

イレギュラーなケースとして従業員に対して控除を行う場合、従業員への支給・控除だけではなく社会保険で利用される報酬額を調整する必要があります。そうした際、運用負荷を想定しなくてはなりません。

 

自社の業務状況であれば経費とみなして社会保険の報酬額に組み込む必要がないと認識している場合は、必ず管轄の年金事務所に問い合わせておきましょう。

就業規則の変更・労働組合への報告が必要かどうか確認

通勤費制度の見直しを行う方向へ舵取りが定まった場合、次の点を確認する必要があります。

  • 就業規則変更の必要性があるか
  • 労働組合への説明が必要か

 

就業規則の中に実費支給を行う際に問題となる項目はあるかどうか、また従業員に対して不利益であると労働組合から指摘を受ける可能性があるかどうか、そして実費支給へ切り替える場合は労働組合との合意までの期間が考慮されているかどうか。ここに至るまでの段取りが無駄にならぬよう、事前の確認が重要です。

「通勤手当」その考え方について

では「通勤手当」とは、そもそもどういった考え方のもとに成り立っているのでしょうか。労働基準法上では使用者は通勤に関する費用の支払いを義務付けられていません。ですが、企業各社が人材獲得や福利厚生の観点から見て独自でルールを設けて支給しているのがこの「通勤手当」です。

 

各社の賃金規定を確認すると、通勤手当に関する基本的なルールが定められているため内容を確認しておきましょう。

通勤手当を実費として支払う場合

通勤手当は各従業員によって利用する交通機関を申告させ、会社が合理的な経路を認め、その相当額を支給するのが一般的なものです。また、完全な在宅勤務でない場合は定期代の支給と出社した日の実費生産のどちらが安いかを考慮する必要があります

実費として支払うが、支給方法が指定されている場合

上記と似ているようで少し異なっているのが上記の場合です。支給方法が「1ヶ月定期代分」などと明記されている場合が多いようです。この場合通勤手当が通勤費の趣旨であるため、在宅勤務により実費が発生していない場合は通勤手当の必要はないと考えられています。

在宅勤務時、通勤手当は非課税に該当する?

素朴な疑問として起きやすいのが「通勤手当は非課税なのがどうか」というポイントです。それぞれ詳しく説明していきます。

非課税通勤手当とは?

所得税法において非課税通勤手当では、下記のように定められています。

非課税になる通勤手当は通常の給与に加算して支払うものの中で、通勤のための時間、距離、運賃等の事情と照らして、最も安価かつ合理的な経路と方法で通勤した場合の通勤定期券の金額(月の上限15万円)である。

在宅勤務中は課税?非課税?

では、出勤日数が「0日」完全在宅勤務の場合はどうなるのでしょうか?

結論から言えば「在宅勤務下においても交通費は非課税で問題なし」です。理由としては、

 

  • 全ての社員が前日在宅勤務を行うとは限らない
  • 在宅勤務はあくまでも一時的なものであり、勤務地自体は会社であること

 

この2点が挙げられます。全ての社員が在宅勤務下においても出社の可能性があるため、一定の合理性をもって支給を行なっている交通費であると会社が捉えているのです。

在宅勤務において通勤手当を実費支給に切り替える場合

在宅勤務において交通費支給を実費支給に切り替える際、どういったポイントに気をつける必要があるのでしょうか。

「不利益変更」に該当するか

交通費の支給について企業に対して法律で定められていることは実際のところ特にありません。在宅勤務によって通勤が不必要になった社員が増えたからといって、支給する交通費が減るということは一概に不利益とはいえません。そのため、労働条件における「不利益変更」には該当しないといえます。

実費支給によるコストメリットを再確認

実費支給に切り替える際に、社員の在宅勤務実態を把握・確認し定期代の支給、実費支給のどちらが会社の負担が少なくなるかを計算し検討しましょう。

別の新たな手当を支給することも

在宅勤務を導入した際、交通費の見直しだけでなく別の新たな手当てを支給する動きもあります。「在宅勤務手当」を新たに定め支給することで、従業員各々が在宅勤務に必要な環境を整えられるようになります。

まとめ

在宅勤務という新たな働き方の幅が広がったことにより、自社の規則を見直し新たな職場環境を設けるきっかけとなる企業が多くあります。社会の大きな流れに合わせて、柔軟な対応が求められている中、ぜひこの記事を参考にして検討・見直しを図っていきましょう。