政府主導による働き方改革が推し進められていることから、在宅勤務やリモートワークと呼ばれる「テレワーク」という新たな働き方が急速な広まりを見せています。オフィス以外の場所で仕事を行うために整えなくてはならないのが、ICT(情報通信技術)環境と呼ばれるものです。
今回の記事では、テレワークを実施するにあたり必要なシステム環境や方式に関する基礎知識について説明していきます。
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目次
ICTとは
ICTはInformation and Communication Technology(情報通信技術)の略称で、情報処理のみに限らずインターネットなどの情報技術を利用したサービスや産業といった意味を持ちます。すでに私たちの間で浸透している「IT(Information Technology)」には含まれていないCommunication=通信、伝達という言葉が新たに加わる事で、ネットワーク通信を利用して情報や知識を互いに共有しコミュニケーションを図ることに重きが置かれています。
テレワーク可能なICT環境
テレワークを導入可能なICT環境とは、実際にはどういった環境を指しているのでしょうか。以下のように、大きく分けて3つの要素が必要とされています。
マネジメント
マネジメント面で必要なのは、
- 勤怠管理、プレゼンス管理(在庫管理)、業務管理などの見える化
コミュニケーション
コミュニケーション面で必要とされているのは、
- 文字、音声、映像などによるコミュニケーション方法の確立
- 情報を共有するコミュニケーションを図りやすい基盤の整備
セキュリティの確保
セキュリティ面において必要なのが
- 情報を社外に持ち出すこと無く業務を進める事が可能な環境の整備
- 利用する端末やシステムの仕組みなど、ICT環境におけるセキュリティの安全化
と、ICT環境構築のため必要とされるそれぞれの要素が存在することが見て取れます。
テレワークの方法に合わせてシステム方式を選ぶ
オフィス以外の離れた場所から社内にいるのと同じように業務を遂行しようとした際に必要になるのが、「情報セキュリティの強化」です。オフィス内・テレワーク先どちらも仕事を行う際は必ずインターネット環境下に置かれる点が共通点と言えます。
しかし、セキュリティ対策を考えた際、外部から行われるであろう攻撃に対して、対策をある程度打ちやすいオフィスと異なり、テレワーク環境下においては持ち運び可能な端末を使うことや不特定多数の回線に接続する機会が多い分、それだけセキュリティが外部からの脅威に晒されやすいのです。
導入するシステム方式によって打つべき対策が異なってきますので、システムごとの特徴や対策について以下に詳しく解説していきます。
リモートデスクトップ方式
オフィス内に元々設置されている端末のデスクトップ環境をテレワーク先の端末から、遠隔で操作、閲覧などを行う方式です。この方式の特徴はテレワーク先でもオフィス内で行っていた環境で今まで通りの作業を継続して行う事ができ、かつデータを編集後に保存する場合もオフィス側にそのまま保存されテレワーク先の端末にはデータが残らない形になりますので情報漏洩といった万が一の事態も防ぐ事が可能です。
リモートデスクトップ用のアプリケーションや専用キーなどを用意するだけですぐに運用可能なため、導入コストが抑えやすい事もメリットの一つです。
仮想デスクトップ方式
先程の「リモートデスクトップ方式」と似た方式なのがこの仮想デスクトップ方式です。こちらはオフィスのサーバー上に構築、提供される仮装デスクトップ基盤(VDI)にテレワーク先の端末から遠隔ログインを利用する形をとります。
リモートデスクトップ方式と同様にテレワーク先端末にはデータが保存されませんが、オフィス内に端末を用意する必要がない事が違いです。仮想デスクトップ方式はシステム管理者が一元化して管理する事が可能なため、セキュリティ対策も同様に一律管理する事ができます。
クラウド型アプリ方式
インターネットに接続されている環境下でクラウドサーバー上にあるアプリケーションにアクセスし、テレワーク端末で作業を行う方式です。アプリケーションの利用費用以外の設備コストは不要なためコストを抑えて導入ができ、場所や使用端末を選ばずに同じ環境で作業を行う事ができます。
作業で編集したデータの保存先はクラウド上、ローカル環境どちらも選ぶ事ができるので、最新データの保存先を決めておくなど予め管理方法を定めておく必要があります。
セキュアブラウザ方式
クラウド型アプリ方式が持つ安全性を底上げした方式です。セキュアブラウザとは、不正アクセスや情報漏洩の防止対策をより強化したブラウザのことをいいます。この方式のブラウザを用いることでファイルの機能を限定的にすることで、テレワーク先端末で利用するデータを保存しないように制限をかける事ができます。
より確かな安全性を確保できるようになりますが、他方式に比べ操作可能なアプリケーションに対して制限がかかる事で作業に支障が生まれる可能性があります。
まとめ
今後のテレワーク環境において自社が求める環境に合ったシステム方式を選定し構築するためには、きちんとそれぞれの特徴を理解する事が大切になってきます。今回の記事を参考に、自社が運用しやすい特徴を持ったシステム方式選びに役立ててみてくださいね。