ここ近年、企業だけでなく家庭でも普及が進んでいるものに「ファイル共有サーバー」というシステムがあります。しかし実際の所は、必要に迫られて導入したものの耳にした事はあるがどういったものかはよく理解できていない、実態を把握していないといった人も決して少なくはありません。
今回の記事では、ファイル共有サーバーを導入するにあたり知っておくべき基本的な知識や併せて知っておくべき「クラウドストレージ」についても詳しく紹介していきます。
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目次
ファイル共有サーバーとその使い方
ファイル共有サーバーとは、LANや共有ネットワークに接続された複数台のパソコンによって保存された画像データやファイルを管理・共有可能なサーバーです。複数のメンバーによって同一のファイルを共有し編集を行う際や、各々のパソコンに保存されているデータのバックアップなどが主な用途になります。
さらに昨今で急速に普及したスマートフォンでもパソコン同様に扱うデータ量が増加しているため、スマートフォンの破損や紛失に備えて本体に保存しているデータのバックアップ先として利用するケースも増えています。ファイル共有サーバーを設置する事で、どういったメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。
ファイル共有サーバーを作るメリット
ファイルサーバーのメリットは利用可能な用途に繋がってきます。従来の形で自分以外の別の人にファイルを共有しようとすると、オンライン上のアップローダーを利用するか、USBフラッシュメモリなどの外部記憶媒体などを使用する必要があり、共有するにあたり一手間挟む必要がありました。
ファイルサーバーを設置すると、そうしたファイルの受け渡しもすぐに行う事ができます。またパソコン同士に限らずパソコンとスマートフォンなど、異なるデバイス間に渡る受け渡しにおいても同様のメリットを感じる事ができます。
ファイル共有サーバーを作るデメリット
こうしたメリットがある中、デメリットも生じてしまうことも確かです。ファイルサーバーに突発的な不具合や天災による故障などで一時的にファイルサーバーに障害が発生してしまうと、そのサーバーに依存している全ての業務が一時中断せざるを得ない事となります。
そのため、ファイルサーバーを設ける際は必ず管理者を置く必要性が生まれるため結果的にこれが該当者にとっては新たな負担となる可能性が生まれます。また、費用に関しては扱う事が可能な容量や機能面においてさらに大容量のもの、優れた機能を持つものを求めた場合掛かるコストもそれに合わせて高額になります。
クラウドストレージとは?
そして近年、ファイル共有サーバーとは別に新たなファイル共有方法として広まってきているのがこの「クラウドストレージ」と呼ばれる方式です。この方式は先述してきたファイル共有サーバーをローカルネットワーク上ではなく、クラウド(インターネット)上にファイル共有スペースを構築する方法であり、通常はクラウドストレージ専用サービスを契約して利用します。
ファイルサーバーを構築する際には社内ネットワークに専用機器を別途設置する必要がありますが、クラウドストレージの場合はインターネット接続環境とパソコン、サービス契約時に発行されるID・パスワード、利用するプランの月額料金支払いさえあればすぐに企業全体規模で利用可能なファイル共有環境を整備する事ができます。
クラウドストレージが浸透している背景
先述したようにクラウドストレージは導入のハードルが比較的低いこともあり、企業・個人用問わず急速に浸透が進んでいるのですが、その背景にはどういった要因が考えられるのでしょうか?具体的な要因についてそれぞれ考えてみました。
扱う情報量の増加
アプリケーションやソフトの開発が進歩することに伴い、私たちが日々扱う情報量は日に日に増加の一途を辿っています。ですがそうした情報は中長期的な保存が必要にも関わらずその増加に耐えられず、即時的に対応しようと試みたとしても結果的に余分なコストが掛かってしまう事が考えられます。
クラウドサービスは利用可能なストレージ容量をすぐに切り替える事が可能なため、状況に合わせた利用も柔軟に対応できます。
テレワーク浸透に伴う導入
働き方改革の推進に伴い、新たな働き方のスタイルとしてオフィスから離れた地で勤務を行うテレワークが急速に浸透、認知と導入の拡大が進んでいます。テレワーク導入を検討した際においても、インターネット経由で利用可能なクラウドストレージは大きな後押しとなっています。
BCP対策として
震災や火災などの自然災害はいつ発生するか事前に分かっているはずもなく、ある日突然発生します。そうした非常事態下ではどのような規模で社内システムにダメージを受け、損失の憂き目に合うかを測り知る事はできません。
そうした局面に備えて、BCP(事業継続計画)対策の一つにクラウドストレージをファイル共有スペースやバックアップ先として備える企業が増加しています。
まとめ
ファイル共有サーバーやクラウドストレージなど、どちらも異なる方法ではありますがファイル共有の手段として有効な方法と言えます。メリット、デメリットを鑑みた上で十分に検討し、企業や個人の求める形に合わせて導入する事が望ましいでしょう。
検討の際にはぜひ、今回の記事をお役立ていただけましたら幸いです。