クレーム対応はビジネスにおける重要な一部です。顧客からの不満や要望を適切に捉え、そのフィードバックを活用してサービスや製品を改善することで、企業の成長に繋がるのです。その過程で欠かせないのが「クレーム報告書」。しかし、具体的に何を書けば良いのか、どのように書けばよいのかといった疑問を持つビジネスマンも多いでしょう。
本記事では、クレーム報告書の基本的な知識から具体的な書き方、よくある質問までを解説します。シーンに応じて使い分ける社内向けと社外向けの報告書作成にも注目し、具体例を交えてわかりやすくご紹介します。
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目次
クレーム報告書の重要性
クレーム報告書は、一見すると面倒な文書作成の一つと思われがちです。しかし、その重要性は計り知れません。では、その重要性とは何でしょうか。
なぜ重要なのか
クレーム報告書は問題の共有と理解のための基本的な手段です。顧客からのクレームは、そのまま企業や組織の課題を浮き彫りにします。その課題を共有し、理解することで、組織全体で問題解決に取り組むことができます。また、報告書を通じて、同様の問題が再発しないように予防策を練ることも可能となります。
次に、クレーム報告書は、顧客との信頼関係を維持、あるいは再構築する手段ともなります。クレームを受けたことを顧客に正確に伝え、対応の進行や結果を報告することで、顧客への配慮と透明性を示すことができます。これは、企業と顧客との信頼関係を維持し、場合によっては強化する上で非常に重要なステップです。
さらに、クレーム報告書は、法規制を遵守するための必要な記録となります。特定の産業では、クレームの履歴を記録し保存することが法的に求められています。
以上のような理由から、クレーム報告書はビジネス運営において重要なツールとなります。どのような形であれ、顧客からのフィードバックを受け取ることは、ビジネスにとって必要不可欠なプロセスです。それを適切に処理し、活用するための「クレーム報告書」の作成について、本記事で解説していきます。
そもそもクレーム報告書とは?
クレーム報告書とは、文字通り顧客からのクレーム(不満や要望)に対する企業の対応を記録した文書のことを指します。しかし、その定義をもう少し具体的に考えてみましょう。
クレーム報告書の定義
クレーム報告書は、顧客から受けたクレーム内容と、それに対する企業の対応過程、結果、そして今後の改善策をまとめたものです。これにより、同様のクレームが発生した際の参考資料となり、また顧客とのコミュニケーションツールとしても機能します。
クレーム報告書の目的と役割
クレーム報告書の主な目的は、以下の3点に集約されます。
- 問題の理解と共有: クレーム報告書を作成することで、企業内で問題を共有し、理解を深めることができます。具体的な事例を基に議論を行うことで、より具体的な改善策を見つけ出すことが可能となります。
- 信頼関係の構築: クレームを正確に記録し、それに対する対応を顧客に報告することで、企業の対応能力と透明性を示すことができます。これは、顧客との信頼関係の構築に寄与します。
- 記録の保存: 法規制等により、クレームの対応過程と結果を記録することが必要となる場合があります。クレーム報告書は、そのための重要な記録となります。
クレーム報告書の標準的な構成と記載要項
クレーム報告書の作成には、一定の標準的な構成があります。それぞれの項目にどのような内容を記載するか、具体的に見ていきましょう。
クレームの詳細
まず、報告書の始めには、クレームの詳細を記述します。これには以下の要素が含まれます。
- クレームの発生日時
- クレームを報告した顧客の情報(顧客名、連絡先など、必要かつ許可される範囲で)
- クレームの具体的な内容
- そのクレームが影響を及ぼす可能性のある製品やサービス
この部分では、事実を可能な限り正確に、詳細に記述することが重要です。
対応の経緯と結果
次に、クレームに対する対応の経緯と結果を記録します。この部分には以下の要素を含めます。
- どのように対応したかの詳細
- 対応に関与したスタッフの情報
- 対応の結果、具体的に何が変わったか
これにより、同じような状況が再発したときに、前回の対応を参考にすることができます。
将来的な予防策と改善点
最後に、将来的な予防策と改善点を考察します。これには以下の要素を含めます。
- そのクレームが再発しないための予防策
- 企業全体として改善すべき点
- 関連部署との連携や改善のためのアクションプラン
クレームが改善のための機会となるように、組織全体での対策を立てることができます。
シーン別クレーム報告書の書き方
クレーム報告書の書き方は、その報告書が社内向けであるか、社外向けであるかによって微妙に異なります。それぞれのシーン別の書き方を見ていきましょう。
社内向けクレーム報告書の書き方
社内向けクレーム報告書の目的は、問題の詳細な共有と、その解決策や予防策を検討することです。そのため、具体的な事実や分析結果を詳しく記載することが重要となります。
例文と解説
以下に例を挙げます。
【クレーム詳細】
– 顧客名:山田様
– 発生日時:2023年7月5日 14時
– クレーム内容:弊社製品Aの操作方法に関する不明点及び不満点【対応経緯と結果】
– 対応スタッフ:サポートチームの鈴木
– 対応内容:山田様への詳しい操作説明と製品Aの使い方についてのフォローアップ
– 対応結果:山田様は操作方法を理解し、満足していた【将来的な予防策と改善点】
– マニュアル改訂:製品Aのマニュアルを改訂し、操作方法をより明確に説明する
– スタッフトレーニング:顧客からの質問に即座に対応できるよう、製品知識の研修を定期的に行う
社外向けクレーム報告書の書き方
一方、社外向けクレーム報告書は、顧客への情報提供と、企業としての誠意を示すためのものです。そのため、対応結果を中心に、親切且つプロフェッショナルな表現を心掛けます。また、機密情報の漏洩を防ぐため、具体的な個人名や詳細な情報は避けることが重要です。
例文と解説
以下に例を挙げます。
山田様
この度は、弊社製品Aの操作方法についてご不明な点があり、ご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。
お寄せいただいたご意見に基づき、サポートスタッフが詳しい操作方法をご説明させていただきました。その結果、現在は製品Aを問題なくお使いいただけているかと存じます。
また、今後のサービス改善のため、製品Aの操作マニュアルを見直すことを計画しております。
弊社としては、顧客様が快適に製品をご利用いただけるよう、サービス向上に向けた努力を続けてまいります。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
株式会社〇〇
顧客サポートチーム
このように、社内向けと社外向けのクレーム報告書は、それぞれ異なる目的と視点を持つため、情報の詳細度や書き方が異なります。これらの特徴を理解し、適切に使い分けることが求められます。
クレーム報告書作成のポイント
クレーム報告書の作成にあたり、以下に重要なポイントをまとめてみました。これらのポイントを抑えつつ、具体的な状況や受け手に応じて、クレーム報告書を作成していきましょう。
事実を正確に記録する
何が起こったのか、どのように対応したのか、その結果何が得られたのかを、具体的かつ正確に記述することが重要です。この詳細な記録が後々の改善活動や再発防止に繋がります。
感情的な表現を避ける
クレーム報告書は客観的な事実を伝えるものであるため、感情的な言葉や主観的な評価は避けましょう。また、顧客を責めるような表現も控えることが望ましいです。
視点を持つ
報告書は社内向けであるか、社外向けであるかにより、その詳細度や書き方が変わります。社内向けは詳細な情報共有、社外向けは親切且つプロフェッショナルな対応を伝えることを目指しましょう。
改善策を提示する
単に問題を報告するだけでなく、今後の改善策や予防策を提案することが大切です。これにより、同様のクレームが再発するのを防ぐことができます。
明確で簡潔な言葉を使う
報告書は多くの人が読むものです。したがって、明確で簡潔な言葉を使い、誤解のないように表現することが重要です。
クレーム報告書についてのよくある疑問
クレーム報告書についてのよくある質問とその回答を以下にまとめてみました。
Q1. クレーム報告書は、どのタイミングで作成すべきですか?
A1. 基本的には、クレームが発生し、その対応が完了した後すぐに作成することが望ましいです。事実を正確に記録し、必要な改善策を速やかに進めるためです。
Q2. 複数人でクレーム対応を行った場合、誰が報告書を作成すべきですか?
A2. 複数人で対応を行った場合、一般的には、その中で責任を持ってクレーム対応を統括した人が報告書を作成します。しかし、組織やチームによっては、報告書作成の役割を明確に決めている場合もあります。
Q3. クレーム報告書の保存期間はどれくらいですか?
A3. クレーム報告書の保存期間は、組織の方針や業界の規範による部分が大きいです。一般的には、改善策の進行状況を確認し、再発防止のための参照資料とする観点から、数年間は保存することが多いです。
Q4. クレーム報告書は、どのようにして社内外に共有すべきですか?
A4. 社内に共有する場合、適切な報告ラインや手段(会議、メール、社内ツール等)を用いて情報を伝えます。社外への共有では、顧客や関係者へのメールや書面による報告が一般的です。どちらの場合も、報告の内容や形式は受け手を考慮して適切に選びましょう。
おわりに
クレーム報告書はビジネスにおける重要なコミュニケーションツールであり、適切な書き方と活用法を理解することで、組織の改善活動を実質的に支える存在となります。具体的な事実を冷静に整理し、それに基づいた解決策や予防策を提案することで、同じ問題の再発防止を図り、組織全体の品質を高めることが可能です。
また、社内向けと社外向けでそれぞれ適切な情報の提供方法を選び、双方の視点を理解することが重要です。これにより、組織内外の信頼関係を築き、顧客満足度を向上させることも期待できます。本記事が、クレーム報告書作成の一助となれば幸いです。
ナレッジマネジメントにおすすめのツール「Huddler」
業務の効率化にもおすすめなのが「Huddler(ハドラー)」です。リモートワークなど離れて業務を進める上で課題になる情報共有のあらゆる課題を解決することができるオールインワンツールです。
初めてITツールを使うという方でも気軽に利用することができます。
Huddler(ハドラー)とは
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler(ハドラー)」
https://service.huddler.app/
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler」は 業務における情報を適切に管理し、チームとビジネスを前進させる⽣産性向上のためのサービスです。
Huddlerには「会議」「タスク」「wiki」「ファイル」の4つの機能が備わっており、掛け合わせることで業務効率化を実現します。
- リモートワークと出社するメンバーが混在しており、チーム内の業務がいまいち分からない
- 業務効率化ツールはIT企業向けのプロジェクト管理ツールばかり
- 打ち合わせで伝えたタスクに認識のズレがあり、思い通りに進まない
- カスタマイズをしないと便利に使えないツールが多い
このような情報管理における様々な課題を簡単に解決することができます。
Huddlerの4つの機能
会議
Huddlerの会議機能はルームごとに会議の内容が格納され、情報の整理が簡単にできる機能です。Huddlerでは、内容を記載すると自動で保存される仕様になっているため、他のメンバーへのリアルタイム共有が可能となります。またテキストを直感的に入力するだけでなく、それぞれの会議に紐づけたい画像やPDFファイルなどの資料、会議で出た「タスク」など、あらゆる情報を記載・添付することが可能です。
タスク
Huddlerは会議に紐づけてタスクの管理をすることもできます。会議ごとに紐づけられることによって、前回の打ち合わせで誰がいつまでにどんなタスクを与えられたのか、そのタスクの進捗状況はどうなのかを逐一確認することができ「言った言わない問題」や「認識の齟齬」によるトラブルを回避することができます。
併せてタスクを一覧で看板形式で管理することができます。「トレイ」と「タスク」の2つの要素で構成されており、縦軸のトレイも目的や用途に合わせて自由に作成することができます。例えば、ワークフローを軸に管理する場合はステータスでトレイを分け、担当を軸に管理する場合は 担当者名でトレイを分けます。 チームのニーズに合わせてトレイは⾃由に作成できます。
タスクはドラッグ&ドロップで簡単に移動することができるので、進捗状況に合わせてトレイを移動させて常に最新の情報を共有することができます。 タスク名、担当 、期限をそれぞれ設定することが でき、タスクごとにコメントも残せるので、 進捗確認にも便利です。
wiki
Huddlerのwiki機能はルームごとに共有したいあらゆる情報をストックできる機能です。社内マニュアルや日報など様々な情報を直接蓄積することができます。「マニュアル類」「業界ニュース」「リンク集」などそのルームの目的や用途に合わせてカテゴリ分けをし、社内wikipediaとして運用することができます。そのほかに、他のユーザーに編集権限を付与することができたり、投稿毎にコメントの可否を設定できたり共有する内容によってカスタマイズすることが可能です。マークダウン記法にも対応しています。
ファイル
Huddlerのファイル機能はシンプルで誰でも使いやすい仕様になっています。ルームごとにデータを蓄積することができ、フォルダの名前は「クライアント名」や「メンバーごと」、「レポート用」など、チームの目的や用途ごとに合わせて自由に決めることができます。会議に添付したファイルも自動でファイルに集約され、一元管理することが可能です。
Huddlerは現在無料で全ての機能をご利用いただけます。アカウント登録はこちらから。