【わかりやすく】SECIモデルとは?運用のポイントや具体例を解説!

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【わかりやすく】SECIモデルとは?運用のポイントや具体例を解説!

21世紀、情報化社会の進行に伴い、企業の競争力は「知識」にどれだけアクセスでき、それをどう活用するかに左右されます。知識マネジメントの中核をなす「SECIモデル」は、この知識を有効に循環させ、新たな価値を創出するための枠組みとなります。

しかし、SECIモデルという言葉を聞いても、具体的にどのように運用すれば良いのか、ビジネス現場で活用する具体例がイメージできない方も多いでしょう。この記事ではSECIモデルの基本から運用のポイントについて、ビジネスマンにもわかりやすく解説します。SECIモデルを活用して、あなたの組織の知識マネジメントを一歩前進させましょう。

SECIモデルの重要性

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近年、知識は企業の重要な資源となり、それを如何に有効に管理・活用するかが企業競争力の鍵を握っています。その中で、「知識マネジメント」という概念が登場し、組織内での知識の蓄積と共有が求められるようになりました。この知識マネジメントを円滑に進めるためのツールとして、SECIモデルが注目されています。

SECIモデルは、個々の従業員が持つ「暗黙知」を「形式知」に変換し、組織全体で共有・活用するプロセスを体系化したものです。これにより、知識の共有と創造が加速され、組織全体の競争力向上に貢献します。

しかし、このSECIモデルを適切に活用するには、その概念と具体的な運用方法を理解することが必須です。この章では、そんなSECIモデルの重要性について詳しく解説します。

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SECIモデルとは?

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SECIモデルの定義

SECIモデルは、組織内部の知識を蓄積・活用するためのフレームワークで、非常に有効な知識マネジメントの手法です。このモデルは、日本の組織学者である野中郁次郎と竹内弘高によって提唱され、知識を創造し、共有し、利用する四つのプロセスを体系的に描き出しています。

SECIモデルの構成要素:暗黙知と形式知

SECIモデルの中心的な概念は「暗黙知」と「形式知」です。「暗黙知」は個々の経験や感覚に基づく、言葉にできない知識を指し、一方、「形式知」は言葉や数値などの形で表現され、他人と共有可能な知識を指します。SECIモデルの主な目的は、この暗黙知を形式知に変換し、組織全体で活用することにあります。

SECIの4フェーズ:社会化、外部化、結合、内部化

SECIモデルは、以下の4つのフェーズで構成されています。

  1. 社会化:人から人への暗黙知の共有。直接的な対話や共同作業を通じて、暗黙知を直接共有します。
  2. 外部化:暗黙知を形式知に変換。個人の暗黙知を言葉や図表といった形で明示し、形式知に変換します。
  3. 結合:形式知の統合。既存の形式知と新たに得られた形式知を組み合わせて新しい知識を創出します。
  4. 内部化:形式知を暗黙知に変換。得られた新しい知識を自分のものとして吸収し、暗黙知として定着します。

これらのフェーズは循環的に進行し、新たな知識の創出と共有を促進します。

SECIモデルの具体例

社会化の具体例

社会化のフェーズは、直接的な対話や共同作業を通じて、個々人の持つ暗黙知を共有する過程です。具体的な例としては、新入社員が先輩社員から業務のノウハウを学ぶオンボーディングプロセスが挙げられます。また、ワークショップやブレインストーミングセッションなども、参加者間での暗黙知の直接的な共有を促す場となります。

外部化の具体例

外部化は、個人の頭の中にある暗黙知を形式知として具現化するプロセスです。例えば、社員が自身の業務改善アイデアを具体的な計画書としてまとめ、プレゼンテーションを行うケースが外部化の例です。また、会議での議論を明確な議事録として残すことも、知識を形式化し共有する行為と言えます。

結合の具体例

結合は、形式知同士を組み合わせて新たな知識を生み出す過程です。例として、マーケティングチームが市場調査データと製品の販売データを組み合わせて、新たな販売戦略を立案するシーンがあります。また、知識管理システム内で、既存の文書を参照しながら新たな文書を作成する行為も結合の一例と言えます。

内部化の具体例

内部化は、形式知を個々人の暗黙知として吸収し、それを行動に移すプロセスです。たとえば、社員が研修を受けて新しい知識を習得し、その後の業務でその知識を活用するケースがこれに当たります。また、自身のタスク改善のために、社内のベストプラクティス文書を読み込んで理解し、それを自分の業務に取り入れる行為も内部化の過程と言えます。

SECIモデルの運用で大切な3つのポイント

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SECIモデルを実際の業務に活用し、知識マネジメントの改善に役立てるためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 組織全体のコミットメント:SECIモデルの効果的な運用には、組織全体の理解と協力が必要です。全員が知識共有の価値を認識し、積極的に参加する環境を作ることが求められます。
  2. 適切なツールの活用:知識を形式化・共有するためには、適切なツールの活用が必要です。デジタルツールを上手く使えば、知識の共有、保存、検索が容易になり、知識マネジメントの効率が大幅に向上します。
  3. 定期的な見直しと改善:知識は日々更新されるため、SECIモデルの運用も一度設定すれば完了ではありません。定期的な見直しを行い、状況に応じて改善を進めることで、組織の知識創造と活用が持続的に進化します。

 

SECIモデルを支えるツール

SECIモデルを効果的に運用するためには、知識を形式化し、共有・活用するためのツールが不可欠です。デジタルツールは知識の可視化、組織内での共有、保存、検索などを容易にし、知識マネジメントの効率を大幅に向上させます。ここでは、具体的なツールを紹介し、それぞれがどのようにSECIモデルの運用を支えるかを説明します。

Confluence:知識の共有と結合

Confluenceは、Atlassian社が提供するチームコラボレーションツールです。ドキュメントの作成・共有、プロジェクト管理、タスク追跡など、様々な機能を備えています。特に、形式知の「結合」フェーズにおいて有用で、既存の文書を参照しながら新たな文書を作成することが可能です。

Trello:アイデアの外部化と整理

Trelloは、ビジュアルにタスクを管理できるボード型のプロジェクト管理ツールです。カードと呼ばれる項目を作成し、それをリスト上で移動させてタスクの進行状況を管理します。SECIモデルの「外部化」フェーズを支え、個々人のアイデアや知識をビジュアルに整理・共有することができます。

Slack:社会化のためのコミュニケーション

Slackは、組織内のコミュニケーションを円滑にするためのツールです。個別のメッセージやグループチャット、ファイル共有などが可能で、リアルタイムに情報共有が行えます。これにより、SECIモデルの「社会化」フェーズを支援し、直接的な対話や情報の共有を促進します。

SECIモデルを導入するためのステップ

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SECIモデルを導入し、最大限の効果を得るためには、以下のステップを踏むことが有効です。

現状分析と目標設定

まずは、組織内の現状の知識マネジメントの状況を分析します。どのような情報がどの程度共有されているのか、知識が十分に活用されているのか、などを明らかにします。次に、SECIモデルを導入する目的を明確に設定します。目標設定は、その後の活動の方向性を示す重要なステップです。

モデル導入の準備

SECIモデルを導入するための具体的な計画を立てます。どのようなツールを使用するのか、どのフェーズから導入するのか、どのように社員に説明するのか、などを決定します。また、必要なリソースや時間を確保します。

モデル導入と運用

計画に基づいてSECIモデルを導入し、運用を始めます。全てのステップが一度に実行可能であるとは限らないため、段階的に導入することも考慮に入れます。また、社員の理解と協力が得られるよう、継続的な教育とコミュニケーションを保つことが重要です。

フィードバックと改善

モデルの運用を通じて得られたフィードバックを元に、モデルの改善を行います。運用がスムーズに進んでいない場合や、目標に対して達成度が低い場合は、原因を分析し、必要な改善策を検討します。これにより、SECIモデルの運用は持続的に改善され、組織全体の知識マネジメントの品質が向上します。

 

SECIモデルを活用する上での注意点

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SECIモデルは効果的な知識マネジメントの一手法ですが、その運用に当たっては以下の注意点を押さえることが重要です。

コミュニケーションの確保

SECIモデルは個々人の知識や経験を共有し、新たな知識を創出するためのフレームワークです。そのため、組織内のオープンなコミュニケーションが重要となります。社員が自由に意見を共有できる環境を作り、情報が隠蔽されないような企業文化を形成することが求められます。

継続的な運用と改善

SECIモデルの運用は一度で終わりではありません。知識は日々更新されるため、定期的にモデルの運用を見直し、必要に応じて改善を進めることが必要です。これにより、組織の知識マネジメントは持続的に進化し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

企業文化との適合性

SECIモデルを成功させるためには、それが組織の文化と整合性を持つことが重要です。知識の共有や創造を推奨する企業文化がなければ、SECIモデルの導入は難しいかもしれません。そのため、SECIモデルの導入に際しては、組織文化の理解と、必要に応じた組織文化の改革を検討することが求められます。

おわりに

この記事では、知識マネジメントの一つの方法としてのSECIモデルについて、その概要から具体的な運用方法まで詳しく解説しました。SECIモデルは、組織内の知識を効果的に共有し、新たな知識を創出するための強力なフレームワークであり、適切に運用することで、組織全体の生産性と創造性を大いに高めることが可能です。ただし、導入と運用には計画とコミュニケーションが欠かせません。最適なツールを活用し、適切なフィードバックと改善を繰り返すことで、SECIモデルの本来の力を発揮させることができるでしょう。

 

ナレッジマネジメントにおすすめのツール「Huddler」

業務の効率化にもおすすめなのが「Huddler(ハドラー)」です。リモートワークなど離れて業務を進める上で課題になる情報共有のあらゆる課題を解決することができるオールインワンツールです。

現在無料のβ版で提供しており、容量制限もなく初めてITツールを使うという方でも気軽に利用することができます。

 

Huddler(ハドラー)とは

Huddlerサービスサイト会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler(ハドラー)」
https://service.huddler.app/

 

会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler」は 業務における情報を適切に管理し、チームとビジネスを前進させる⽣産性向上のためのサービスです。

 

Huddlerには「会議」「タスク」「wiki」「ファイル」の4つの機能が備わっており、掛け合わせることで業務効率化を実現します。

 

  • リモートワークと出社するメンバーが混在しており、チーム内の業務がいまいち分からない
  • 業務効率化ツールはIT企業向けのプロジェクト管理ツールばかり
  • 打ち合わせで伝えたタスクに認識のズレがあり、思い通りに進まない
  • カスタマイズをしないと便利に使えないツールが多い

 

このような情報管理における様々な課題を簡単に解決することができます。

Huddlerの4つの機能

会議

Huddlerの会議機能はルームごとに会議の内容が格納され、情報の整理が簡単にできる機能です。Huddlerでは、内容を記載すると自動で保存される仕様になっているため、他のメンバーへのリアルタイム共有が可能となります。またテキストを直感的に入力するだけでなく、それぞれの会議に紐づけたい画像やPDFファイルなどの資料、会議で出た「タスク」など、あらゆる情報を記載・添付することが可能です。

 

タスク

Huddlerは会議に紐づけてタスクの管理をすることもできます。会議ごとに紐づけられることによって、前回の打ち合わせで誰がいつまでにどんなタスクを与えられたのか、そのタスクの進捗状況はどうなのかを逐一確認することができ「言った言わない問題」や「認識の齟齬」によるトラブルを回避することができます。

 

Huddler task

併せてタスクを一覧で看板形式で管理することができます。「トレイ」と「タスク」の2つの要素で構成されており、縦軸のトレイも目的や用途に合わせて自由に作成することができます。例えば、ワークフローを軸に管理する場合はステータスでトレイを分け、担当を軸に管理する場合は 担当者名でトレイを分けます。 チームのニーズに合わせてトレイは⾃由に作成できます。

タスクはドラッグ&ドロップで簡単に移動することができるので、進捗状況に合わせてトレイを移動させて常に最新の情報を共有することができます。 タスク名、担当 、期限をそれぞれ設定することが でき、タスクごとにコメントも残せるので、 進捗確認にも便利です。

 

wiki

Huddler wiki

Huddlerのwiki機能はルームごとに共有したいあらゆる情報をストックできる機能です。社内マニュアルや日報など様々な情報を直接蓄積することができます。「マニュアル類」「業界ニュース」「リンク集」などそのルームの目的や用途に合わせてカテゴリ分けをし、社内wikipediaとして運用することができます。そのほかに、他のユーザーに編集権限を付与することができたり、投稿毎にコメントの可否を設定できたり共有する内容によってカスタマイズすることが可能です。マークダウン記法にも対応しています。

 

ファイル

Huddler file

Huddlerのファイル機能はシンプルで誰でも使いやすい仕様になっています。ルームごとにデータを蓄積することができ、フォルダの名前は「クライアント名」や「メンバーごと」、「レポート用」など、チームの目的や用途ごとに合わせて自由に決めることができます。会議に添付したファイルも自動でファイルに集約され、一元管理することが可能です。

 

Huddlerは現在無料で全ての機能をご利用いただけます。アカウント登録はこちらから。