近年、ビジネスの舞台でよく耳にする「ERP」。日本語では「企業資源計画」とも呼ばれます。しかし、具体的な意味や機能、基幹システムとの違いなど、正確に理解しているビジネスマンは実は少ないのではないでしょうか?本記事では、ERPの本質をシンプルかつ具体的に解説し、そのメリットや主要なツールについても触れていきます。また、基幹システムとの比較を通じて、ERPの位置づけとその重要性を明確にしていきます。ERPの導入を検討している企業の方、あるいは最新のビジネストレンドを追いたいと考えている方々にとって、本記事は必読の内容となっています。今後のビジネス戦略を考える上での参考にしていただければ幸いです。
目次
ERPの意味とは
ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、直訳すると「企業資源計画」となります。これは、企業の各部門や業務プロセスを一元的に統合し、情報の流れを効率化するためのシステムやソフトウェアを指します。具体的には、販売、購買、製造、会計、人事、在庫管理など、企業のさまざまな部門をつなぎ合わせ、リアルタイムでの情報共有や高度な分析を可能にするツールです。
ERPが生まれた背景と進化
ERPの原型は、1970年代の製造業における生産管理システムとして始まりました。当時、生産現場の業務効率化を目指して開発されたこれらのシステムは、徐々に企業の他の部門にも導入され、情報の統合や業務の効率化が求められるようになりました。
1980年代に入ると、これらのシステムがIT技術の発展とともに進化し、より高度な機能や広範な部門をカバーする「統合型業務ソフトウェア」として認識されるようになりました。そして、1990年代にERPという言葉が一般的になり、多くの大手企業がERPシステムの導入を進めるようになりました。
このように、ERPは時代とともに進化を続けてきましたが、その根底にあるのは「企業の業務効率化」と「情報の正確な一元管理」です。今日では、クラウド技術やAIの統合など、更なる進化を遂げつつあります。
基幹システムとの違いは?
基幹システムとは、企業の中核となる情報システムを指し、その主要な機能は、会計、人事、営業、製造などの業務データを一元的に管理・運用することです。このシステムは、企業の経営基盤となる情報を高速かつ正確に処理し、リアルタイムないしは定期的に経営者や関連部門に提供する役割を果たします。大企業や中堅企業を中心に、その業務の効率化や品質の向上を目指して導入が進められています。
ERPと基幹システムの比較
共通点:
- 業務の一元管理: 両者とも、企業の業務データを中心に一元的に管理・運用するシステムです。
- 経営の効率化: 業務効率の向上や経営判断の迅速化を目的として導入されます。
相違点:
- 対象範囲: 基幹システムは、特定の業務領域(例: 財務や人事)に焦点を当てたシステムであるのに対し、ERPは企業全体の業務プロセスを統合的に捉えるシステムです。
- 拡張性: ERPはモジュール式になっており、導入する業務領域を選択できるため、システムの拡張が容易です。一方、基幹システムはその設計時に決定された業務範囲内での運用が前提となります。
- 最新技術の統合: ERPは、クラウドやAI、IoTなどの最新技術の統合が進められているのに対し、基幹システムはこれらの技術を取り入れるのが比較的難しい場合が多いです。
ERPの主なメリット
事業の統合性と効率化
ERPシステムの最大の特徴は、企業のさまざまな業務を一つのシステム上で統合管理することができる点です。これにより、異なる部門間の情報の非効率なやり取りやデータの重複入力がなくなり、業務プロセスが大幅に効率化されます。また、統合されたデータをベースにした業績の分析や予測も簡単に行えるようになります。
決定の迅速化とデータの一元化
ERPにより、全社的なデータが一つの場所に一元管理されるため、経営判断に必要な情報を迅速に取得・分析することができます。これは、市場の変動や競合との競争が激しい現代ビジネスにおいて、迅速な経営判断を下すための大きなアドバンテージとなります。
業績の向上と競争力の強化
業務の効率化が進むと、それが直接的にコスト削減や生産性の向上につながります。この結果、企業の業績は向上し、市場における競争力が強化されることになります。また、迅速な情報提供と分析能力の向上は、新しいビジネスチャンスの早期発見やリスクの早期回避にも繋がります。
導入時のリスクと注意点
ERPの導入には、以下のようなリスクや課題が伴います。
- コストオーバーラン: しばしば予算を超える導入費用や維持費が発生します。
- 導入期間の遅延: 計画よりも導入に時間がかかるケースが見受けられます。
- 業務適合性の問題: ERPの機能が企業の既存の業務プロセスに合致しない場合、大きなカスタマイズが求められることがあります。
- ユーザーの抵抗: 新しいシステムに対する従業員の適応や受容が難しい場合があります。
ERPの導入計画のポイント
導入の課題やリスクを乗り越え、ERPの導入を成功に導くためのポイントは以下の通りです。
- 明確な目的設定: 何のためにERPを導入するのかの目的を明確に設定し、それを基に全社的な意識統一を図ることが重要です。
- 適切なベンダー選定: 企業の具体的なニーズや要求に適合したベンダーを選定することで、後のトラブルを回避します。
- プロジェクトチームの組成: 各部門の代表者を含むプロジェクトチームを立ち上げ、計画の策定から導入、運用までの各段階での役割を明確にします。
- 導入スケジュールの策定: 導入の各ステージにおける明確なマイルストーンを設定し、進捗を常に確認し続けます。
- 徹底したユーザートレーニング: 従業員が新システムを効果的に活用するための研修を計画的に実施します。
- 定期的なフィードバックの収集: 導入後にユーザーからのフィードバックを収集し、必要な改善やカスタマイズを継続的に実施します。
人気のERPツール
各ツールには特有の特徴や強みがあるので、導入を検討する際は企業のニーズや要件に合わせて選定することが重要です。
SAP
SAPは、世界の多くの企業が利用するトップクラスのERPソフトウェアとして知られています。業界や業種を問わず幅広い機能を提供し、グローバルに展開するビジネスにも対応しています。その高度なカスタマイズ性や拡張性も評価されており、特に大手企業からの支持が厚いです。
URL: https://www.sap.com
Oracle ERP Cloud
Oracle ERP Cloudは、クラウドベースのERPソフトウェアとして注目を集めています。リアルタイムの分析や洗練されたユーザーインターフェースが特徴で、特に中規模から大規模企業におすすめのツールです。Oracleの豊富な経験と技術力を背景に、最新のテクノロジーを取り入れたソリューションを提供しています。
URL: https://www.oracle.com/jp/applications/erp/
Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、ERPだけでなくCRM機能も統合したビジネスアプリケーションのプラットフォームです。MicrosoftのクラウドサービスであるAzureをベースにしており、Office 365やPower BIとの連携も容易です。直感的なインターフェースと高い拡張性が魅力で、中小企業から大企業まで様々な規模の企業に適しています。
URL: https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/
ERPの今後
ERPの領域は、先端技術の導入やクラウド化の進展とともに、更なる進化を遂げることが予測されます。企業はトレンドを踏まえながら、最適なERPの導入や活用を検討することが求められます。
AIやIoTの統合
- AIの活用: ERPにAIを統合することで、データ分析や業務の自動化、最適化が進むことが期待されます。例えば、需給予測の精度向上や、顧客とのコミュニケーションの質の向上など、多岐にわたる領域での活用が進められています。
- IoTとの連携: 生産ラインや物流、販売店舗など、さまざまな場所で収集されるIoTデータをERPと連携させることで、リアルタイムでの業務最適化や効率的な資源管理が可能となります。
クラウドERPの台頭
近年、クラウドERPの導入が加速しています。以下、その背景と特徴を説明します。
- 初期コストの削減: クラウドERPは、導入時の高額な初期投資が不要で、月額料金制のもとで利用できるため、多くの企業にとって魅力的です。
- 柔軟なスケーリング: 企業の成長や変化に合わせて、必要に応じてリソースを追加・削減することが容易です。
- 最新技術の迅速な導入: クラウド上でのサービス更新が頻繁に行われるため、常に最新の機能やセキュリティ対策を享受できます。
- リモートワークの支援: クラウドERPはインターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、リモートワークや分散型の業務体制をサポートします。
ナレッジマネジメントにおすすめのツール「Huddler」
業務の効率化にもおすすめなのが「Huddler(ハドラー)」です。リモートワークなど離れて業務を進める上で課題になる情報共有のあらゆる課題を解決することができるオールインワンツールです。
現在無料のβ版で提供しており、容量制限もなく初めてITツールを使うという方でも気軽に利用することができます。
Huddler(ハドラー)とは
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler(ハドラー)」
https://service.huddler.app/
会議を起点とした情報マネジメントツール「Huddler」は 業務における情報を適切に管理し、チームとビジネスを前進させる⽣産性向上のためのサービスです。
Huddlerには「会議」「タスク」「wiki」「ファイル」の4つの機能が備わっており、掛け合わせることで業務効率化を実現します。
- リモートワークと出社するメンバーが混在しており、チーム内の業務がいまいち分からない
- 業務効率化ツールはIT企業向けのプロジェクト管理ツールばかり
- 打ち合わせで伝えたタスクに認識のズレがあり、思い通りに進まない
- カスタマイズをしないと便利に使えないツールが多い
このような情報管理における様々な課題を簡単に解決することができます。
Huddlerの4つの機能
会議
Huddlerの会議機能はルームごとに会議の内容が格納され、情報の整理が簡単にできる機能です。Huddlerでは、内容を記載すると自動で保存される仕様になっているため、他のメンバーへのリアルタイム共有が可能となります。またテキストを直感的に入力するだけでなく、それぞれの会議に紐づけたい画像やPDFファイルなどの資料、会議で出た「タスク」など、あらゆる情報を記載・添付することが可能です。
タスク
Huddlerは会議に紐づけてタスクの管理をすることもできます。会議ごとに紐づけられることによって、前回の打ち合わせで誰がいつまでにどんなタスクを与えられたのか、そのタスクの進捗状況はどうなのかを逐一確認することができ「言った言わない問題」や「認識の齟齬」によるトラブルを回避することができます。
併せてタスクを一覧で看板形式で管理することができます。「トレイ」と「タスク」の2つの要素で構成されており、縦軸のトレイも目的や用途に合わせて自由に作成することができます。例えば、ワークフローを軸に管理する場合はステータスでトレイを分け、担当を軸に管理する場合は 担当者名でトレイを分けます。 チームのニーズに合わせてトレイは⾃由に作成できます。
タスクはドラッグ&ドロップで簡単に移動することができるので、進捗状況に合わせてトレイを移動させて常に最新の情報を共有することができます。 タスク名、担当 、期限をそれぞれ設定することが でき、タスクごとにコメントも残せるので、 進捗確認にも便利です。
wiki
Huddlerのwiki機能はルームごとに共有したいあらゆる情報をストックできる機能です。社内マニュアルや日報など様々な情報を直接蓄積することができます。「マニュアル類」「業界ニュース」「リンク集」などそのルームの目的や用途に合わせてカテゴリ分けをし、社内wikipediaとして運用することができます。そのほかに、他のユーザーに編集権限を付与することができたり、投稿毎にコメントの可否を設定できたり共有する内容によってカスタマイズすることが可能です。マークダウン記法にも対応しています。
ファイル
Huddlerのファイル機能はシンプルで誰でも使いやすい仕様になっています。ルームごとにデータを蓄積することができ、フォルダの名前は「クライアント名」や「メンバーごと」、「レポート用」など、チームの目的や用途ごとに合わせて自由に決めることができます。会議に添付したファイルも自動でファイルに集約され、一元管理することが可能です。
Huddlerは現在無料で全ての機能をご利用いただけます。アカウント登録はこちらから。